監視カメラのジレンマ

これまでのページで監視カメラが如何に有効か、と言ったことを説明してきましたが、最後となるこのページでは監視カメラのジレンマについて説明します。

監視カメラは、それが設置されているということを知らしめることで、自分の姿が記録されるということや、監視カメラを設置するような防犯意識、防犯対策のされている場所なんだ、ということを犯罪を犯そうとする者に対して知らせることで、優れた心理的な犯罪抑止効果を発揮することは前述の通りですが、では、犯罪の決定的な証拠を収めるためには、監視カメラは人の眼から見てすぐにそれと分かるような場所や、形であっていいのでしょうか。

答えは否です。
そこに監視カメラがある、と分かればその目の前で堂々と犯罪を行うようなケースは極稀でしょう。
そうした場合に備えて、しばしば監視カメラは隠されて設置されることもあります。

ですが今度はそのように設置することで、犯罪抑止の効果はなくなってしまうでしょう。
見える場所に設置すると、犯罪の証拠を映せなくなり、隠せば犯罪への抑止効果がなくなる。
これが、監視カメラの持つジレンマです。

ですが、そんなジレンマも監視カメラを複数台設置することや、ダミーカメラをうまく活用することで解決できますが、その分どうしてもコストは掛かってしまう、というのが悩みどころです。
それでも防犯対策というのは必ず必要になるものですから、掛けるべきところにはしっかりとコストを払って、安心を手に入れるのが良いのかもしれません。

犯罪行為の抑止

監視カメラのような、いつでも誰かが見続けているのと同じような状況を作り出せるシステムがあるということは、犯罪の抑止にも繋がります。
自分の情報が映像として残ってしまえば、それだけ逮捕される確率は上がります。
そうでなくても犯罪を犯すということは普通の人にとっては大変な躊躇を覚えるものです。

その躊躇に監視カメラという抑止力が追加されることで、ますます犯罪を犯す人は減っていくのです。
具体的な設置例としては、日本では、成田国際空港と関西国際空港に顔認識システム付き監視カメラが設置されていたり、N700系電車の全昇降口と運転室出入り口に監視カメラが設置されています。

ですが、これらの監視カメラによる犯罪行為への抑止効果というのは、例えばテロ行為のような確信犯的な犯罪には効果が薄く、非確信の一般犯罪への抑止効果を期待しての物となります。
なので、それらの確信犯的な犯罪に対しては別の角度での対策が重要となるのは言うまでもありません。

このように、一般犯罪に対しての抑止力として優秀な監視カメラですが、防犯カメラの犯罪対策・犯罪抑止は完璧なのでしょうか。
実は監視カメラには、犯罪抑止と犯罪対策においてジレンマを持っているのです。
それを次のページで解説します。

犯罪への対策として

昨今では、様々な場所で見かける監視カメラですが、この監視カメラがあるおかげで私たちの生活は安全の中で送られています。
例えば、強盗などが起きた際、通報システムなどで警察は事件が起きた現場にすぐに向かいますが、犯罪者の方も捕まりたくて犯罪を犯しているわけじゃありませんので、当然逃げる準備は万全に整えていることが殆どでしょう。

そうなるとどうしても、警察が到着したときには強盗犯はとっくに逃げ出しているという状況になってしまうでしょう。
そうなってしまっては強盗犯を捕まえるのは難しくなってしまいますが、防犯カメラがあれば、強盗犯の顔や特徴を記録し、その記録を捜査の足掛かりにすることで早期に強盗犯の逮捕が可能になるのです。

なかには体に装着するようなタイプの監視カメラもあり、ボディカメラ・身体装着監視カメラなどと呼ばれ、ドイツやアメリカなどの海外の警察において急速に普及しています。
また学校での使用も試験的に行われているようで、これらが日本でも採用されれば、学校内というある種の聖域ともいえる外界と遮断されたエリアでの、内容の不確かになりがちな犯罪行為の検挙に繋がることでしょう。

このように監視カメラの録画機能を用いることで、犯罪行為の早期解決・発見が可能なのはお分かり頂けたと思いますが、それでは次のページからは監視カメラを用いた犯罪の抑止について、説明していきます。